Technique

匠の技

木象嵌
石川善弘(木象嵌技能士)

地板にミシン鋸で絵柄を切り抜き、色彩豊かな同型の絵柄のパーツをはめ込んだものを薄くスライスすることで一つの絵画に仕上げます。
ぴったりはまりすぎても、またゆるすぎてもスライスしたときに材木同士がはがれてしまうたいへん高度な技術を要する作品です。それゆえ、世界的に例のない伝統工芸技術と賞される木象嵌は継承者不足ともなっています。
寄木細工職人であった経験を生かし、そこに独学から得た私オリジナルの技を加えて木象嵌を今に伝えております。木象嵌に寄木細工を嵌め込むという手法もその経験から生まれた賜物でした。
絵画としても木材を使うという点で絵のタッチは変わりません。それだけに配色や木目模様の組み合わせ、また寄木細工の模様に細心の心配りをしております。
どうぞ先人から受け継がれるこの精微な木材の芸術をご覧ください。

カーボン紙の上から絵をなぞり、地板に絵柄を写します。

嵌め込むパーツを作成します。線が入る部分には薄い板を差し込みます。

地板をパーツと同じ大きさに切り抜きます。

地板に絵の一番背景からパーツを直角にはめ込んでいきます。

順番を間違えると修復はできないので常に順番を意識します。

仕上がったら、幅の広い鉋(カンナ)で削り、薄くしたズクを板などに貼ります。

塗装をし、製品になります。

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